常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

overshoot

今月11日,兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故(05年4月)で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長,山崎正夫被告(68)が無罪を言い渡されました。今回はそれに関する記事JT.online(01/11/12付け)より英語表現を拾います。
The April 25, 2005, crash occurred when a speeding Fukuchiyama Line commuter train jumped the tracks and crashed into an apartment building.
It was believed the driver speeded up to make up lost time and to avoid disciplinary action.
He had overshot the platform at the station preceding the curve and had to back up, causing his train to be delayed.
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120111x1.html
今回注目する単語はovershootです。英文は, 福知山脱線事故がどのように起きたのかを記述しています。overshootを分解すると接頭辞で「標準よりも多く」という意味をもつoverと「銃撃する」という意味で知られるshootの二つの単語からできており,これをそのまま直訳すると「過激に撃つ」と意味になりしっくりきません。辞書を見ると,「射過ぎる」のほかに「…を超える」という意味が載っていました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。また,shoot自体をみてみると「・・を撃つ,発射する」の他に「<急流・海峡など>を素早く通る,<信号を>無視して突っ走る」という意味があることに気付きます。これを踏まえて上記の英文を,運転手がただプラットフォームを過ぎ去ったのではなく,「信号を無視したように速く通過してしまった」というニュアンスが伝わってきます。(ゼミ生 To To To)