常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

swoon

プロ野球の両リーグでクライマックスシリーズが始まりました。日本シリーズをかけた闘いに注目です。今回はJT online(10/29/11付け)より,” Late surge makes Giants a good bet in Central League Climax Series”から英語表現を拾います。

Yakult would be awaiting the first-stage winner in the final stage if not for a late-season swoon that cost it the CL pennant.

http://www.japantimes.co.jp/text/sb20111029j1.html

今回注目するのはswoonです。swoonは「卒倒,気絶;眩感[恍惚]」と辞書にあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。しかしながらどの意味も当てはまりません。そこでLDOCEで語義を調べてみると,to fall to the ground because you have been affected by an emotion or shockとありました。東京ヤクルトスワローズは5月31日から10月6日まで首位でした。しかし,10月7日に129日ぶりに首位を陥落してしまいます。やはり追われる者として,中日の勢いに押されて萎縮してしまったこともあるでしょう。以上のことをlate-season swoonでは述べられています。したがって,swoonは「失速」と訳せ,上記の文は「ヤクルトがシーズン終盤に失速し優勝を逃した。それ(失速)がなければ(クライマックスシリーズの)ファイナルステージで第1ステージ勝者を待ち構えているところだろう」と訳せるのではないでしょうか。

本日の1戦目はヤクルトが逆転勝利し,さらに,第1ステージ突破に王手を賭けました。そのままの勢いで2戦目も勝利を挙げることができるのでしょうか。(ゼミ生 Lbow−Shoulder)