常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問回答 Deer me(To To To)

大変遅くなりましたが,ご指名質問に答えさせていただきます。質問内容は以下の英文の意味でした。

For the past week, this massive, short-tempered stag has been charging into British headlines, goring a man in the middle of a picnic and chasing one woman through the brush.

http://d.hatena.ne.jp/A30/20111019/1318978466

今回はcharge intoの使い方に注目しました。文脈から,been charging into headlinesは「新聞に取り上げられている」と訳せることがわかります。しかし,「新聞に取り上げられている」という意味の場合go intoを用いると認識していました。実際辞書にもgo into headlinesで「新聞に大きく取り上げられる,有名になる」とあります(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。ではなぜ今回charge intoが使われているのでしょうか。2つの理由があると考えました。1つ目はcharge intoで「<場所に>飛び込む」という意味であり,LDOCEにはto deliberately rush quickly towards someone or something in order to attack themとあることから,go intoの代わりに用いることで「(事件があって)すぐに話題になる」というニュアンスを含んだこと,2つ目はニュースの内容が鹿のcharge(突撃)であったことです。

以上のことを踏まえて文章を訳すと,「ここ何週間か,大柄で,荒い性格のシカがピクニック中の男性を角で襲ったり,女性をやぶの中で追いかけ回したりという事件がイギリスの新聞の見出しを飾っている。」となると考えました。(ゼミ生 To To To)