常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

the spike

以前にもイングランドの異常気象について記事を書きましたが,また異常気象があったようです。ただ,夏のように宿にとっては歓迎ムードではないようです。それでは,The Guardianから英語表現を拾いたいと思います。
Cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20110628/1309270743
England and Wales break temperature records for 1 October
(前略) As sunbathers packed the beaches across the country, the Met Office in London confirmed the previous record for 1 October was broken at 13.27 in Gravesend, Kent, when a temperature of 29.5C was recorded.
(中略)Lauren Cherry, manager at the Rum Puncheon in Gravesend, said it was overwhelmed by the spike in custom on account of the weather. The pub overlooks the Thames and Tilbury docks and has a large outdoor terrace and patio area."We were absolutely rammed to capacity," she said. "Everyone is talking about how shocked they are at the weather for this time of the year. Normally we would do about 10 to 15 lunches, but today we did more than 50."
さて,文中に赤字で示したpackとはどんな意味でしょうか。ヒントは,以前のブログの記事(注1)のUG先生のコメントにありました。研究社の『英和中辞典』で意味を確認してみますと自動詞packの第3義「(人などが)(・・・に)群がり込む」とあります。「日焼けをしたい人々が国を超えてビーチに「群がる」」ということです。
つづいて,文中で使われているthe spikeです。おそらく「くい」などの意味ではなく,「《小麦・トウモロコシなどの》穂;《オオバコ,ワレモコウなどの》穂状花序」という意味でしょう(『リーダーズ英和辞典』研究社)。なぜそのような意味になったかと言うと,ヒントのひとつにLauren Cherryさんがグラヴェセンドのラム樽のオーナーであることを挙げることができます。ラム酒はサトウキビを原料にした酒で,サトウキビもトウモロコシと同じイネ科の植物なので下穂があります。つまり,このspikeはサトウキビのことであると解釈することが可能です。
最後にramは名詞「雄ヒツジ」ではなく,動詞で使われています。『ジーニアス英和辞典』第4版ですと第3義の「〜を・・・に詰め込む」などの意味がしっくりきます。ここでは「キャパ越えしている」のような意味合いで使われています。(Othello)
注1pack by gacha  http://d.hatena.ne.jp/A30/20100910/1284070165