常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bode ill for

前回のご指名質問回答記事deal a blowに引き続き,小沢秘書裁判について採り上げます。今回はThe Japan Times ONLINE(09/28/11付け)の見出しから表現を拾います。

Aides' convictions bode ill for Ozawa
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20110928a3.html

注目するのはbode ill forです。「元秘書有罪判決の小沢元民主党代表に対する悪影響は必至」というような内容ではないかと予想しました。確認のため『新英和中辞典』(第5版,研究社)でbodeを調べると,「[well, illなどの様態の副詞を伴って]〔…にとって〕(良い[悪い])前兆である〔for〕:That bodes well [ill] for his future.(それは彼の将来にとって良い[よくない]徴候だ。)」とありました。よって「元秘書の有罪判決は小沢氏にとって悪い前兆だ」と訳せるでしょう。

ここからは補足的な内容になりますが,「前触れとなる,前兆である」を表す語はbodeの他にaugurがあります。『OXFORD現代英英辞典』(第6版,Oxford University Press)にはそれぞれ次のとおりに書かれています。

・bode well / ill (for sb/sth)
(written) to be a good/bad sign for sb/sth

・augur
(formal) to be a sign that sth will be successful or not successful in the future

bodeは書き言葉,augurはフォーマルな言葉であることがわかります。ちなみにLDOCEにaugur well/badly/illは(formal) to be a sign that something will be successful or unsuccessful [= bode]とあるので,上記の英英の説明を見てもわかるように両者とも同じ意味を表すようです。(ゼミ生 pear