常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

20:20 hindsight

英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)」による電話盗聴事件をめぐり,同紙との癒着が指摘されているロンドン警視庁の幹部2人が辞任に追い込まれました。批判の矛先はデービッド・キャメロン(David Cameron)首相にも向き始め,アフリカ外遊中の同首相は予定を繰り上げて帰国し,議会で緊急審議を行う方針を決めました。以下はキャメロン首相の一部コメントです。(DY 07/22/11より)
“It was my decision…Of course I regret and I am extremely sorry about the furor it has caused. With 20:20 hindsight… I would not have offered him the job.
キャメロン首相の言う20:20 hindsightとは一体何のことでしょうか。20:20と言いますと,まず思い浮かぶのは20/20 vision「(矯正を必要としない)正常の視力」という表現です(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。そしてhindsightは「後知恵」という意味です。
この2つを足して2で割ると20:20 hindsightとなるのですが,これは「使われずじまいの後知恵」という意味になります(同上)。ここではI would not have offered him the jobと仮定法過去完了の文が続いているので,With 20:20 hindsight…は「その時に彼についてよく知っていたら…」と訳せます。
hindsightと仮定法過去完了の文がしっかり共起しているコメントですね。(Sugiuchi)