常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

get the boot

イングランド大衆紙The Sunに,元カルチャー・クラブのシンガーであるボウイ・ジョージ(Boy George)が,X Factor(イングランドのテレビ番組でオーディション形式の歌手発掘番組)について言及している記事がありました。記事の中でジョージはデヴィッド・ボウイに触れて批判をしています。X factorは,70年代のボウイでさえもオーディションに落とす!?今回はここから英語表現を拾いたいと思います。
David Bowie would have been under pressure to ch-ch-change his act
The ex-Culture Club frontman, 50, bitched that the series is dumbing down music after being snubbed by bosses for a judging role.
He said the eccentric look of 64-year-old Bowie in his 1970s heyday would get him the boot in case he put off today's viewers.
http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/showbiz/tv/x_factor/3679689/X-Factor-would-have-said-No-to-David-Bowie-says-Boy-George.html#ixzz1RJe3v5YB
見出しのUnder PressureはボウイとQueenの共作で,次に出てくるChangeは,ボウイの70年代のヒット曲Changesのことでしょう。後者の曲は,サビの歌詞(ch-ch-change)がそのまま引用されています。記事のなかでデヴィッド・ボウイが繰り返し言及されている理由として,ボウイが70年代にグラム・ロックのヒーローとして奇抜な服装と音楽性で一世を風靡したことがあるからでしょう。記事のなかでボウイを引き合いに出してX Factorの音楽をBLAND acts (取るに足らない,つまらないこと)として批判しています。
さて,本文のget him the bootとはなんのことでしょう。以前の記事でbootには名詞で「解雇」という意味があることが,すでに指摘されています(cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20110601/1306939203)。文脈から判断すると,70年代の最盛期のボウイの過激な容姿でさえも,現代の観客の場合だと,「止めさせられてしまう,とめられる」など,ネガティヴなニュアンスがあると考えられます。確認のため辞書で確認してみますとget (give) the bootで「首にする(なる)」(『オーレックス英和辞典』初版,旺文社)とありました。(Othello
Queen and David Bowie/ Under Pressure
ttp://www.youtube.com/watch?v=jB9plldfCHo
David Bowie/ Changes
ttp://www.youtube.com/watch?v=kVYbwpe99MM
(URLの最初のhは抜かしてあります)