常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

out of curiosity

今週の月曜日からS大学の授業が再開しました。ゼミ生の4年生も田邉先生の研究室に来るようになり,研究室は以前にもまして活気に満ちています。研究室においては学生同士の会話は大部分が英語なのですが,学生の話す英語なのでInterlanguageがとても多く見受けられます。今回は先生に正していただいたある表現に焦点を当てます。
「好奇心からかな」という日本語を英語で言うとしたら,どう言えばいいでしょうか。私は最初because of curiosityを言いました。そうすると先生がout of curiosityという表現を教えてくださいました。
早速調べてみると,out ofには「〜から」という理由・動機を表す用法があることが分かりました(『オーレックス英和辞典』旺文社)。用例にはout of curiosity「好奇心から」の他,out of kindness「親切心で」や,out of necessity「必要に迫られて」,out of pity「同情心から」などがあります。because ofももちろん理由や動機を表す表現ですが,これはbecauseが「理由を強調する」というニュアンスを持っているので,because ofは論理性を強調しています。一方,out ofの方には「内から出てくる」というニュアンスが感じられます(『カレッジ英英辞典』研究社)。なので,用例を見ても分かる通り,out ofは感情を表す単語と一緒に使われています。
毎日の英語の落ち穂拾いはout of curiosityから始まるのですね。(persimmon柿生)