常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pin

プロサッカー選手の内田篤人選手が所属するドイツのシャルケが,ヨーロッパチャンピオンズリーグインテルを下し,準決勝にコマを進めました。これにより,内田選手は準決勝でプレーする初の日本人選手になります。これは日本サッカー界にとって朗報です。
Nagatomo was gracious in defeat, pinning a nation’s hopes on the slim shoulders on Uchida.(DY 04/15/11より)
ここで採り上げるのはpinという単語です。日本語でも「ピン」として当たり前のように認識されているpinですが,a nation’s hopesをピンで留めるとはどういうことでしょうか。
ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,pinには動詞用法で「〈希望・信頼など〉を[人・物に]かける」という意味があるようです。ここでは「長友選手は内田選手のそのスラっとした両肩に国の希望をかけた」ということをこのpinで表しています。
さらにpinは「愛・結婚・抑制などの象徴」とされていることから,長友選手の日本サッカー界に懸ける強い想いがこのpinから伝わってきます(『ジーニアス英和大辞典』大修館書店)。
内田選手には,他の日本人選手の分まで精一杯頑張ってほしいですね。(persimmon柿生)