常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ranging from the labored to the convincing

2年に一度開催されるサッカー欧州選手権。現在、予選リーグが戦われています。優勝候補のFIFAランキング1位のスペインを始め,フランス,イタリア,そしてオランダは勝ち星を積み上げています。しかし,試合内容も同じというわけではないようです
France, Italy and Netherlands also extend their leads at the top with wins ranging from the labored to the convincing.(DY 03/27/11より)
ここで採り上げるのはranging from the labored to the convincingという表現です。range from A to Bは「AからBまでに及んでいる」というのは周知の事実ですが,the laboredとthe convincingとは何でしょうか。laboredは形容詞で「非常に努力を伴う」という意味で, convincingは「〈勝利などが〉圧倒的な」という意味の形容詞です(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。そして「the+形容詞」の形で,形容詞が示す人々を総括して言っているので,the laboredは「辛勝」,the convincingは「圧勝」と解釈出来ます。ちなみに「the+形容詞」は文語的な表現です(『英文法解説』改訂三版,金子書房)。以上より,太文字箇所は「試合内容はまちまちでありましたが,」と訳せるのではないかと思います。
欧州において,サッカーは生活の一部と言っても過言ではありません。スポーツの力は大きいのですね。(ゼミ生 persimmon柿生)