常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

seal(v.)

23年間にわたってUtah Jazzで指揮をとった名将Jerry Sloanコーチが体力の衰えを理由に辞任を発表しました。コーチは1988年からJazzの指揮官に就任。同一チームの監督在位23年というのは,アメリカのプロ・スポーツ界における最長期間になっています。これに関して,DY(02/12/11)にあった記事から英語表現を拾います。引用は辞任のきっかけとなったと噂されていた,現地時間9日のBulls戦での敗北について書かれた部分です。最初のthatはthe loss to Bullsのことです。
But Sloan, the longest-tenured coach in the four major professional sports, insisted that wasn’t the final straw.
O’Connor also said reports that star guard Deron Williams had said it was either “me or Sloan” were false and unfair to Williams. The guard’s late turnover helped Chicago seal Utah’s third straight home loss.
今回採り上げるのは動詞のsealです。sealというと名詞で「標章, 紋章」や「判, 封印」,動詞で「〈封筒など(の閉じ目)に〉(…で)封をする」などの意味が想起されます(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。しかし,今回のsealは別の意味で使われています。辞書には動詞sealで「〈運命などを〉(特に悪い方向に)決める, 確定する」とあり,例文としてseal one's fate[doom](運命を決める)が挙げられていました。今回のThe guard’s late turnover helped Chicago seal Utah’s third straight home loss.も「ポイントガードDeron Williams選手のミスが結果として,Jazzをホームでの3連敗へと導いてしまった」のように,「連敗」という悪い運命へと方向付けています。(院生 小山本)