常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

stand a good chance of

本日,研究室からの帰りに車中で田邉先生のつぶやかれた発問から英語表現を採り上げます。ちょうどカーラジオからbird fluに関するニュースが流れてきたときのことです。先生のつぶやきは「『感染の疑いが強い』という場合,英語でstand a good chance of infectionなどというが,positiveな意味でよく用いられるgoodとinfectionなどのnegativeな単語がなぜ共起するか調べてみなさい」というものです。
そこでまず,確認のためにインターネットでstand a goo chance ofを検索してみると,以下のような記事がありました。
As the Wall Street Journal reported just yesterday, "Patients who seek psychiatric help today for mood disorders stand a good chance of being diagnosed with a disease that doesn't exist and treated with a medication little more effective than a placebo."
http://www.naturalnews.com/028280_psychiatric_industry_disease_mongering.html
このことからもstand a good chance ofとnegativeなニュアンスを持つ単語が共起することがわかります。これはなぜかというと,goodには「よい」という意味の他に「⦅a 〜⦆(数量が)十分な, たっぷりした, 豊富な;相当の, かなりの;まるまるの」という意味があるため(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。同辞書には例としてa good day's work(たっぷり1日分の仕事),a good part of a day(1日の大部分),a good three miles(たっぷり3マイル)が挙げられていました。よって,stand a good chance of infectionのgoodは「程度を示すgood」であるためにinfection のようなnegativeな単語と共起するわけです。(院生 小山本)