常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

「魂」ではないsoul

少し前のDY(12/30/10付け)の3面にあったA ‘brilliant’ Shikoku grandmotherという記事から英語の表現を探ります。記事は地方経済の活性化に邁進する針木ツネコさん(88)を紹介しています。
The townspeople call their niche industry “irodori,” meaning coloring or brilliance, and Hariki is one of its founders and the oldest active member. Her efforts have been central to reviving Kamikatsucho, which is the least-populated town in Shikoku with less than 2,000 souls.
今回注目するのはsoulという単語です。通常soulには「魂,霊魂」といった意味がありますが,ここでは「《文》人(person);[数詞を伴って]…人;[not a〜]一人も…ない」という意味で用いられています(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。普通の文章ではpeopleで十分ですが,四国で最も人口が少ない徳島県上勝町を強調するためにあえて記者はこのsoulを使っていると考えられます。
この文章を読んだ時に以前授業で学んだ“Not a soul in the dorm. ”(人っ子一人寮にいなかった)という文がふと頭によぎりました。(ゼミ生 camel)