常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

楽勝

The Mainichi Daily News(2010年11月10日付)から英語表現を探します。以下はバレーボール世界選手権女子大会に関する記事の一部引用です。
Defending champion Russia, who faces Japan in the semis on Wednesday, remained undefeated after six matches, with a clinical 25-19, 25-8, 25-12 romp over Serbia.
http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/sports/news/20101110p2g00m0sp032000c.html
今回は注目表現としてclinicalとrompの2つを採り上げます。
まずclinicalには「臨床の,病床の」というものの他に,「〈態度・判断・描写など〉(極度に)客観的な,分析的な,冷静な」という意味があります(『新英和中辞典』第5版,研究社)。ここではセルビアに難なくストレート勝ちしたロシアのことを形容しているので,訳は「ロシア,冷静な(巧みな)試合運び」とすると上手くいきます。
次にrompについて考えます。この語は「〈子供などが〉はね[跳び]回る,ふざけまわる」といった意味ですが,そこから「〔…〕に楽々と成功する」や「楽勝」をも意味します(『新英和中辞典』同上)。
cf.http://d.hatena.ne.jp/A30/20100906/1283768783
このようなことから,clinicalとrompに「ロシアの他を寄せつけない強さ」を感じました。
次回はカメ女さんです。 (ゼミ生 pear