常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

アクション・リサーチ全国大会に参加して(camel)

自分も小山本先輩と同じくアクション・リサーチ全国大会に参加してきました。Persimmon君が提唱する「ためになるものは共有する」という精神に則り,簡単な感想を書きたいと思います。参加して気づいたことが2点程あります。
1つ目は言葉と内容のギャップです。大会名に「リサーチ」という言葉が含まれていたので,てっきり堅い研究を扱った学会かと思い念のためスーツで会場に向かいました。しかし,いざ研究発表に出てみると自分の想い描いていたイメージはすぐに崩れました。発表内容は言葉とは裏腹にもっぱら現場重視であり,発表中ビデオクリップなどを通じて教室で授業改善に奮闘する英語の先生の姿を垣間見ることができました。小山本先輩の報告にもありましたが,アクション・リサーチの出発点は「現場」,つまり「実践」です。教育現場で日々直面する問題点や「なぞ」に対して具体的な行動をとることで解決の糸口を探っていこうとするのがアクション・リサーチであると発表者の方はおっしゃっていました。また,佐野正之先生もご発表の中で教師に必要なのは「授業力」+「授業改善力」で,改善を通じて得た「理解」と「成果」がアクション・リサーチに繋がるとおっしゃっていました。自分は今まで「研究」→「実践」という一種の観念にとらわれていましたが,「実践」→「研究」という矢印の向きもあることを実感しました。大変恥ずかしい話ですが,自分はそこでようやくアクション・リサーチがリサーチ・アクションではない理由がわかったのです。
2点目に気づいたのは現場の先生の熱心さでした。最初に驚いたのは出席者の数です。全国英語教育学会や関東甲信越英語教育学会に比べると少ないですが,司会者の方によると当日140名以上の英語教員と学生が集まったそうです。また,日曜日の貴重な時間を割いて朝9時から夕方4時半まで先生は熱心に講演に参加されていました。今日のために前泊して大阪から来られた現場の先生にもお会いしました。会場全体の雰囲気からも日夜修養と研究に励む先生の姿を感じ取ることができました。自分が教員になっても忙しさを言い訳にせずにこのような学会に積極的に参加していこうと思います。自分が驚いたのは決して出席者の数だけではありません。発表された先生からも並々ならぬ熱心さが伝わってきました。発表者の年齢層は幅広く採用3年目の先生による発表もいれば,現場で20年以上経験を積まれている高校の先生の発表もありました。発表を聞きながら「授業改善」に勤務年数は関係ないのだろうなと思いました。自分の授業をビデオに撮り,それを面前の前で公表するのは勇気がいるはずです。しかし,それもすべて生徒を想ってやられているのでしょう。自分もそんな熱意に満ちた教師になりたいと思いました。
現場の先生と交流する機会にも恵まれとても有意義な時間を過ごす事ができました。机の上の勉強も良いですが,実際に足を運んで勉強する大切さを改めて感じました(http://d.hatena.ne.jp/A30/20100702/1278068919)。今後も英語学習と両立して積極的に学会に参加しようと思います。(ゼミ生 camel)