常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Manga artists get gritty with portrait of life on factory floor

最近,少女マンガならぬ「工場マンガ」がブームになっているそうです。ブームの火付け役となったのが『とろける鉄工所』(講談社)と『シブすぎ技術に男泣き!』(中経出版)という2つのマンガ。これについてAshahi.comの記事の見出しを採り上げます。
Manga artists get gritty with portrait of life on factory floor
A metalworks, with its drab setting and workers toiling at dull tasks, would seem unlikely to provide inspiration for a cartoonist looking to create a successful manga.
But Munehiro Nomura has done just that with his series, "Torokeru Tekkojo" (The melting iron works factory), a comedy about the travails of a welder and his workplace chums.
http://www.asahi.com/english/TKY201009270239.html
grittyはgrit(砂)の形容詞形で,「ほこり[砂]だらけの, 砂がはいった(ような), ザラザラする」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)という意味の単語。しかし,同時に「リアリズムに徹した〈小説など〉」(『リーダーズ英和中辞典』小学館)という意味があります。言うまでもなく,文末のfloorを意識したものです。
また,ここでのfloorはもちろん「床」という意味ですが,記事中にthe unheralded work of engineers at small factoriesとあるように,「陰ながら工場を支えている従業員(あるいはその仕事)」を比喩的に表現していると考えられます。(院生 小山本)