常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

frog-march

National ENQUIRERのBLOODY BUT UNBOWEDという記事から英語表現を取り上げます。
Jennifer Love Hewitt,her face daubed with fake blood,is frog-marched in handcuffs by Mariska Hargitay in a scene from Law & Order: SVU. When cameras stopped cranking, the gals cracked up
この中で注目したいのは,frog-marchedという表現です。文字通りに解釈すると,カエルのように行進するのではないかと予想することができます。しかし,この文脈ではカエルは似つかわしくないようです。そこで辞書を引いてみると,frog-march「〈反抗する生徒・犯人〉をうつ伏せにして(4人で手足を持って)運ぶ(こと);(うしろ手にして)歩かせる(こと)」(「ジーニアス英和辞典」第4版,大修館書店)とありました。一方『オーレックス英和辞典』(旺文社)には,「[人]を両脇から抱えて力ずくで歩かせる,手を後ろにねじあげて歩かせる」とあります。辞書によって表現は多少異なりますが,運ばれている生徒がジタバタしている姿を想像すると,まさにカエルのようですね。
ちなみに,カエルにまつわる関連表現にはa big frog in a small pond.「小さい組織の中の大物(「井の中の蛙」とは意味が異なる)」や,have a frog in the throat「しわがれ声である,(一時的に)声が出なくなる」があります(『オーレックス英和辞典』同上)。
次はpearさんです。(ゼミ生 Temple Gate)