常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

マンモス

本日DY(07/30/10付け)のCOMMENTARYにあったUngovernable Japan?という記事に以下のような英文がありました。
Plans for a new welfare state collided with Japan’s stagnant economy and mammoth debt.
着目した語はmammothです。辞書で調べてみますと,「《動》マンモス」以外にも形容詞的に「巨大な,マンモス…;とてつもなく大きな」といった定義付けがされていました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。したがってmammoth debtとは「とてつもない多額の借金」となります。
また同日のスポーツ欄にもmammothを使った表現がありました。
Tendulkar, Raina spearhead India’s mammoth response
クリケットの試合でインドがスリランカに大勝を博したのを報じたものです。文意は「TendulkarとRainaが凄まじい反撃の先導となった」なります。
日本語でも「マンモス大学」と言ったりして大きな物体を形容する言葉としてmammothを用いますが,その使用域はとても限られています(「マンモス大学」は廃語ですね。団塊世代幅頃の大学です。)。『スーパーアンカー和英辞典』(第2版,学研教育出版)によると「マンモス」は危ないカタカナとして取り上げられています。「『巨大』の意味で『マンモス…』というが,英語でもmammothを形容詞として用いることができる。ただし,用法の違いはある。例えば『マンモスビル』はmegastructureがふつうであるし,「マンモス都市」はmegalopolisという。『マンモス企業』はmammoth enterpriseといってもよいが,huge corporationのほうが英語としてはより自然である。」と記されています。
同じ大きさを形容する語であっても使用のされ方はだいぶ異なるので気をつけたいところです。(ゼミ生 camel)