常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

racket

こんにちは,tennisが大好きなpearです。そこで今回はracketの持つ意外な意味を取り上げます。
下記の一文はDAILY YOMIURI ONLINE(2010年7月8日付)から大相撲の野球賭博問題に関する記事の引用です。
Tokyo police searched the Onomatsu and other sumo stables Wednesday in connection with an illegal baseball gambling racket--believed to be masterminded by gangsters acting as bookmakers--involving a number of sumo wrestlers and stablemasters.
http://www.yomiuri.co.jp/dy/national/T100707004710.htm
ここでのracketをテニスやバドミントンのラケットととらえてしまっては,正しい意味をつかめません。そこで,『新英和中辞典』(第5版,研究社)でracketを調べると「騒ぎ,騒音,《口語》(恐喝・ゆすり・詐欺などによる)不正な金儲け,苦しい経験,試練」という意味もあることがわかりました。なるほど,an illegal baseball gambling racket で野球賭博を表していて,特にracketやillegalが共に用いられていることで,賭博問題の悪質さが色濃く反映されているでしょう。同辞書にはracketeer「(恐喝・ゆすり・詐欺などによって)不正な金儲けをする人,暴力団員」も載っていました。
tennis racket やgambling racket のように,racketは前にくる単語で意味が大きく変わってしまう単語なのですね。この記事を通してracketの意外な意味を知ることができました。
最後になりましたが,相撲協会には今回のracket問題の責任をしっかりととること(stand the racket)と今後の諸問題防止策の徹底,そして国技の威信をかけて相撲競技のますますの発展を望みます。
次回は,カメ女さんです。よろしくお願いします。(ゼミ生 pear