常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Knock outされた話

昨夜も田邉先生のX5に同乗させていただきました(運転はできません。「たくあん」も食べません)。先生は車内ではいつものようにAFN(American Forces Network)を流されていましたが,World Cupの結果を伝えるニュースの中に"knockout"という言葉が出てきました。が,正直その意味はわかりませんでした。帰宅後,直ちに調べてみると何のことはありません。「勝ち抜き競技,トーナメント」のことでした(『スーパーアンカー英和』第4版(Gakken)。つまり,AFNニュースでは,米国が土壇場のドノバンの起死回生の一発で,「一発勝負の決勝トーナメント」に進出することを伝えていたのです。言うまでもなく,knockout(名詞)はボクシングで有名なknock outという動詞句から派生したものでした。
そして今朝(06/25/10)のDYを開いてみますと,一面のスポーツ記事の目次のところに;
Better late than never
With time running out on the United States' World Cup campaign, Landon Donovan's crucial goal sends the Americans into the knockout stage.
とあるではないですか!この文では被害の前置詞 onやcampaignの使い方もさることながら,やはりknockout(ここでは形容詞)に,knock outされてしまいました。またまた「知のネットワーク」がつながることを実感しました。
ちなみにデンマーク戦で,あきらかに日本人サポーターが掲げていたプラカードのひとつに「Go to Final」と書かれていました(L-bow君,正しくは?)。プラカードに目くじらをたてるつもりはありませんが,日本人の英語力の貧弱さが簡単な「応援文」にも投影されていて,歓喜の中にあっても,ちょっぴりknock outされた感じです。日本の英語教育は本当に正しいのでしょうか。(院生 小山本)
cf. www.yokota.af.mil/afn/