常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

嬉しいcloud

最近雨の日が多いですね(梅雨だから当たり前か!)。さて,空を覆うcloudにみなさんはどのような印象をお持ちでしょうか。 『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)でcloudを引くと「暗雲,憂鬱」「曇らせる,暗くする,憂鬱にさせる」(例:His face was clouded with anxiety.「彼の顔は不安で曇っていた」)などが載っています。やはり暗いイメージのものが多いです。
しかし,辞書をよく見てみたところEvery cloud has a silver lining.という例文を見つけました。これはことわざの「どんな雲も裏は銀色に光っている」という文です。雲の下は嵐でも雲の上は晴れている,つまり「どんな不幸な時でも明るいことが必ず起こる」「夜の明けない朝はない」ということです。
他にもcloud nine「〈話〉至福」(「英辞郎on the web」)という表現もあります。I'm on cloud nine!のように使い,「最高にハッピー!」という意味です。では,なぜ9番目なのでしょうか。これには諸説あり「《1》ダンテの『神聖喜劇』(The Divine Comedy)の中ではthe ninth heavenが神に一番近く,いちばん幸福であるとされた。《2》米国の気象庁で用いられた雲の種類の9区分から。《3》cloud nineとは積乱雲のことで,非常に高くまで上昇することから。」とありました(「英辞郎on the web」)。cloudにも明るい表現があるんですね。次回はLbow-Shoulder君お願いします。(カメ&ギタ女)