常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

質問 #22「右往左往」に挑戦

田邉先生の問いかけ#22に挑戦いたします。質問は以下の通りです。
鳩山首相の「あっちに行ったり,こっちに行ったり右往左往」する姿勢が,英語でうまく表現されて,ネット上でも話題になっています。さて,どの表現?誰か発見して,説明してください。」
答えはto-ing and fro-ingではないでしょうか。その理由を探るために該当箇所を原文から引っ張ってきました。
Had Hatoyama adhered to the 2006 plan last year by overriding the opposition of the Social Democratic Party, the tumultuous to-ing and fro-ing that has occurred this year could have been avoided. (http://www.breitbart.com/print.php?id=D9FTFI1G0&show_article=1
自分で試(私)訳を試みましたところ,「昨年,社民党の反対を押し切って2006年の普天間基地移設計画に着手していれば,今年起きた騒々しい右往左往は避けられたはず。」となりました。したがって,「右往左往」にあたる部分はto-ing and fro-ingとなります。辞書でその語を確認してみると,「行ったり来たり,往来;《口》右往左往〈on〉(cf. to and fro)」とありました(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。toとfroに付いているingを除けると形容詞にもなります。蛇足だと思いますが,to-ing and fro-ingの前にあるtumultuousは「騒がしい,騒々しい,荒々しい;騒動を引き起こす[起こしがちな]」といった意味があります(『リーダーズ英和辞典』同上)。
結局鳩山首相は福島社民党党首を罷免して,2006年に作成された案に戻ってきました。今までの混乱はなんだったのでしょうか。社説の通りにしていれば,ここまでの混乱は避けられたかもしれません。これも他山の石ですね。自分も口先だけではなく,しっかり行動も伴わないといけないと思いました。(ゼミ生 camel)