常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

必ず〜する

実はアニメが好きな230です(Not a freak)。先日気晴らしにルパン三世Lupin III (the 3rdと発音する))を鑑賞しました。その時の英語字幕の表現について触れてみます。
シーンはまさにクライマックス,嵐の中で,ルパンは海に落ちてしまいそうな不二子を引き上げようと必死です。そしてこう叫びました。
“お前は必ず,必ず助ける”
さて,このセリフを英語に訳す時は「必ず」という単語がポイント。この言葉を聞くと,私はついついwhether or notやwithout failなどと訳してしまいますが,それではこの緊迫した場面には流れの悪い,相応しくない英語になってしまいます(字幕には制限があるからね。こういうことは卒業生のハゲ尾くんに聞いてみよう!−by 小山本)。そこで英訳をチェックしてみると,
“I will, I WILL save you”
という表現が使われていました。これは皆さんご存じの通り,助動詞willの意思未来という用法になります。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると意思未来のwillには「…するつもりである」という意味がありますが,そこからI WILL go there whatever happens「どんなことがあっても私はそこへゆきます。」等,willに強勢を置くことで強い意志を示すことができます。その用法を使って,字幕では「必ず」という非常に強いルパンの意思,つまり個人の意思を表現するセリフを訳しているものと感じました。
他にも「必ず〜する」という表現は数多くあるので,この他にも相応しい英訳は存在するかもしれません。しかしこういった語法に出会うことで,まだまだ字面を追いかけてしまう自分を実感する良い機会となったと思います。特に生きた言葉を使いこなすには,数以上に深い知識が不可欠と感じました。自分の名前が泣いています。次までにもっとレベルアップせねば!!次,Almost God君,宜しく。(ゼミ生230)