常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

殺処分

こんにちは。本日の担当はShallow looking です。宮崎で拡大した口蹄疫の被害に関するTHE DAILY YOMIURI (2010年5月19日付け)の記事から書きたいと思います。見出しには,
Miyazaki Pref. declares state of emergency / 114,000 cows, pigs face cull due to disease
とありました。ここでは「殺処分する」という表現でcull を使用しています。殺してしまうのだから,とすぐにkillを思い浮かべてしまった私は,二つの単語の意味の違いを『ジーニアス英和辞典』(第3版, 大修館書店)で調べてみました。Kill は〔「殺意をもって死なせる」より「(殺意がなくても)結果的に生命を奪う」意に一般化した」〕とあり,「(人・動物が)(人・動物)を殺す,殺してしまう(結果となる)」とあります。そしてcull は「(弱ったもの・卵を産まなくなった動物)を取り出(して殺)す」とりました。cullには,排除する目的のために,いらないものを選びぬく過程が含まれているのですね。農家や養豚場の方たちにとって,大切に育ててきた家畜を殺処分のために選び抜くのは,やりきれない思いだろうなと思いました。
殺される大量の家畜を埋め立てる場所が決まっておらず,今はワクチンを投与することで時間を稼いでいるようですが,これ以上被害が拡大して,殺処分される家畜たちが増えないことを祈るばかりです。次の担当はKooriさんの予定です。(ゼミ生 Shallow looking)