常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

“よくない”スポンサー

昨日の練習で道場の先生に「もっと肘と肩を使え!」と言われた,Lbow-Shoulderです(冗談?それともまじめ?−by 小山本)。
今回取り上げる記事は,アメリカに激震が走ったニューヨーク,タイムズ・スクエア(つい2ヶ月前に行ったばっかりです)の爆破テロ未遂事件についてのものです。
THE DAILY YOMIURI(2010年5月7日付け)のWORLD欄にN.Y. suspect may have links to Talibanという記事がありました。今回の事件の容疑者Faisal Shahzad氏とTehrik-e-Taliban Pakistan(TTP)にはどのような接点(links)があったのかについて書かれています。この記事を読み進めているうちに気になる文を見つけました。
If it is confirmed that the Taliban in Pakistan sponsored the attempted bombing in New York, as it claimed over the weekend, it would be the group’s first attack on U.S. soil.
皆さんは「スポンサー」と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?「事業などの資金を出してくれる人。出資者」(『大辞泉小学館)を思い浮かべる人も多いと思います。しかしこの場合,それではどうも違和感を覚えます。そこで『ジーニアス英和辞典』(第4版, 大修館書店)で調べてみると,動詞で「〜を支援する」という意味がありました。まだ据わりが悪いので,LDOCEで調べると,動詞sponsorにはto support someone by paying for their training, education, living costs etc.という意味がありました。つまり,New Yorkをbombするために爆弾作りなどの訓練や教育を支援したということになります(日本語で「支援する」と訳されることの多いsupportには,trainingやeducationなどの言及はされていませんでした)。sponsorがとる目的語次第で,必ずしも良いスポンサーにはならないことがわかりました。
私は,2ヶ月前にアメリカへ行ったときに世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」を訪れました。テロの爪痕が痛々しく残っていたことは今でも忘れられません。あのような悲劇がまた繰り返されそうになったかと思うと背筋が凍る思いです。ずっと平和な世の中であってほしいと,記事を読んで改めて思いました。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)