常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

いろいろなおじさん

Hi! まだ大学4年生なのにいつも老けて見られるpersimmon柿生です。今日は以前取り上げたTIMEの記事(鳩山首相オバマ大統領の関係について)での興味深い英語表現を紹介します。下の英文を見てください。

Hatoyama’s talk of a more equal partnership has played well with an electorate bruised by a perception that Japan often plays the little nephew to Uncle Sam.

今回は文末のUncle Samという表現に注目です。直訳すると,もちろん「Samおじさん」ですよね。しかし,この文脈においてそれが正しいわけはありません。そこで,辞書に目をやると,Uncle Samは「【米国の略のUSをもじったもの】サムおじさん《米国(政府)を擬人化した呼び名》;(典型的な)米国民」(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)とありました。つまり,Uncle Samはアメリカを表す遠まわし表現なのです。ここでは前にnephewが来ているから使われていると容易に推測できます。

なぜSamという名が使われているかは諸説あるようですが,一般的な説を紹介します。米英戦争当時、アメリカ陸軍に納入している精肉業者にニューヨーク州トロイのサミュエル・ウィルソンという人物がおり、「Uncle Sam」と呼ばれて兵士から親しまれていました。ウィルソンは、納入する肉の樽に「U.S.(United States)」の焼印を押していたのですが、兵士達は「Uncle Samの略だ」と冗談を言ったのだとか。そこから、アメリカ合衆国を「Uncle Sam」と呼ぶようになったようです。

実は他にもU.K.を表したJohn BullやFranceを象徴するMarianneなど国の擬人化表現は存在します。皆さんの周りにも「あのゼミと言ったら〜」のようなものがあると思います。私も田邉祐司ゼミと言ったらpersimmonと言われる,そんな人間になりたいです。
(ゼミ生 persimmon柿生)