常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

fuelと fire

bamboo-stoneことゼミ生3年の竹石です。よろしくお願いします(今回,初めてブログを書かせていただくのでどうぞお手柔らかに, Be easy on me, please!)。
いつもTHE DAILY YOMIURIばかりなので,私はThe Japan Times(2010年4月24日付)のスポーツ欄の見出しを取り上げたいと思います。
Blanco, Yoshimi fuel Dragon’s fire.
これは木曜日に(日本プロ野球で)中日ドラゴンズ東京ヤクルトスワローズに3−1で勝利したことを伝える記事です。fuelと聞くと「燃料」という名詞を考えてしまいがちですが,『新英和中辞典』(第5版, 研究社)でfuelを調べてみると,「〈感情などを〉たきつけるもの,あおるもの」とあります。また,『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)では,「…をたきつける,刺激[助長]する;〈感情など〉をあおる」という動詞としての意味が載っていました。
また,dragonはan imaginary animal that breathes fire and has wings and a tailなので(Longman Active Study Dictionary),Dragon's fire はもちろん「竜の火」を表していることは容易にわかります。しかし,他の意味はないかと気になってfireを調べてみると,「火(名詞)や火をつける(動詞)」の他に,「情火,情熱,熱情,熱心(enthusiasm)」という意味も持っていることがわかりました(『新英和中辞典 』第3版,研究社)。『オックスフォード現代英英辞典』にも,fire はvery strong emotion, especially anger or enthusiasmとあります。このようなことから,ブランコ選手が打ち吉見選手が好投をみせることでチームの士気を高めドラゴンズを勝利へと導いた様子がうかがえます(dragonのシンボルを英語で一度,チェックしてみたら。cf. 『イメージシンボル事典』大修館書店,ところでbamboo-stoneさんはドラゴンズのファンなのですね?—by UG)。

さらに,同紙のスポーツ欄にもう一つfireを用いた表現がありました(私は欲張りなのでもう一つ紹介しちゃいます)。
Durant fires Thunder to first playoff victory
これは先日のブログでも取り上げられている米プロバスケットリーグNBAの話題です。ThunderというチームがDurant選手の活躍により,対戦相手であるLakersを破りました。創設3年目のThunderは本拠地であるOklahoma Cityでプレーオフ三戦目にして初勝利を挙げたのです。ここでは動詞のfireが使われています。『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)に「〈人・感情〉を燃え立たせる,かきたてる,たきつけて…させる(inspire)」とありました。

スポーツの激しさ,そして選手たちが競技にかける思いの熱さをシンプルかつ上手く言い表す単語が,燃え上がるような火に関する単語のfuel , fire なのだと2つの記事を見て知ることができました。
私のゼミ生活はまだ始まったばかりですが,“have a fire in my mind”をモットーにゼミでのfuel になれるよう,(しかしburn outはしないように)努力していきます。次回は3年生のmulberry fieldさんでお願いします。(ゼミ生 bamboo stone)