常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

positive

こんにちは。Dreamy girlです☆(Can you guess who I am?笑)
年老いても,スーザン・ボイル氏のように"I dreamt a dream"を熱唱していないことを祈る今日この頃。

私は日本語として定着しているカタカナ英語の中で,意外な使われ方をしている英語positiveについて取り上げたいと思います。引用は,globalな大ヒットを記録したStephenie Meyerのtwilightからです。

転校生のイザベラはクラスメイトの中に,エドワードを見つけ,徐々に彼の放つ異質な魅力に惹かれていきます。交通事故で助けてもらったことをきっかけにイザベラは彼の特殊な能力に気付きます。以下はイザベラが,エドワードがヴァンパイアであることをつきとめてしまうシーンです。

About three things I was absolutely positive. First, Edward was a vampire. Second, there was a part of him – and I don’t know how dominant that part might be – that thirsted for my blood. And third, I was unconditionally and irrevocably in love with him.

「ポジティブシンキング」という日本語表現に代表されるように,positive=「前向きな,肯定的な」と思い込んでいる人が多いのではないでしょうか。しかし,この場面でそのように訳すと,訳文の意味がおかしなことになってしまいます。『アドバンストフェイバリット英和辞典』(東京書籍)で調べてみると,positive about [of] 名詞/that 節で「(…を/…であると)確信した」とありました(例John is positive about his ability to succeed in business.)。さらに,『ジーニアス英和辞典 第4版』(大修館)によると,positiveには「1明確な,明白な 2自信のある,独断的な 3まったくの,完全な 4積極的な」とあります。このことから,positive=「前向きな,肯定的な」と単純に捉えることの危うさがわかります。

最後に,私が一番好きな,落ち込むイザベラを励ますエドワードの言葉を紹介して終わりにしたいと思います。
“Don’t be offended, but you seem to be one of those people who just attract accidents like a magnet. So….try not to fall into the ocean or get run over or everything, all right?”

XOXO(ゼミ生 Dreamy girl)