常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

動詞の妙

プロ野球,ゴルフとスポーツの記事を採り上げてきましたが,今回はテニスです。

Top-seeded Caroline Wozniacki breezed into the semifinals of the MPS group Championships with a 6-1, 6-3 win over Anastasia Pavlyuchenkova on Friday. (THE DAILY YOMIURI 2010年4月11日)

これは女子テニス・ツアーMPSグループ選手権(アメリカ,マイアミ)準々決勝で,本大会第1シード,19歳のC. Wozniacki(デンマーク)が,第5シードのA. Pavlyuchenkovaと対戦し,6-1,6-3と終始ゲームを支配し,勝利したことを伝える記事です。この文にあるbreeze into~を見た瞬間に,以前,田邉祐司先生から教わった;

Sharapova cruises into 3rd with easy win over 76th-ranked Yank

という見出しを思い出しました。『ジーニアス英和辞典』(大修館書店 第4版)で,breeze into~をチェックすると,「すいすいと動く,進む」とあります。19歳の新鋭が順調に駒を進めた状況をうまく表わしています。
関係はありませんが,これとよく似た音で(厳密には違いますが),breathe into~という表現を見つけました。その意味は「〈生気・勇気・自信〉を〔…に〕吹きこむ」と記されています。
昨年はM・シャラポワが制した同大会。弱冠19歳の若き力がこのまま快進撃を続け(breeze into),女子テニス界に新たな風を吹きこむ(breathe into)逸材となるのか。テニスファンならず,私にも準決勝,決勝を楽しみにしています。(by gacha)