常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

英検準1級に合格して

ゼミ出身で,今は都立の某高校で英語を教えているY先生が書いてくれたものです。これは,確か,彼が1年次に英検準1級を取得したときに,私が頼み込んで,その学習法を書いてもらったものです。努力の人です。(by UG)

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文学部英語英米文学科1年 

 準1級の合格の葉書きを見た時まず思ったのが、「やっと今までの成果が表れた。」でした。正直、この一年間自分の英語力が伸びていることが実感できず、何のために勉強しているのかと悩むことが何度もありました。周りの人たちが、ネイティブスピーカーの英語を聞いてすらすら書き取ったり、オーラルの時間も流暢に会話をしているのを見て、何度も自己嫌悪に陥りました。(ちなみに、海外経験はまったくありません。)そもそも、私と田邉先生との出会いもこれがきっかけです。初めてのリスニングの授業で、周りの人たちがすらすらと英語を聞き取り、話すのに打撃を受け(もちろん、高校のときも語学コースでしたから、そういう人たちは少しはいたのですが)、「Bクラス(1つ下のクラス)に落としてもらえないでしょうか?」とお願いしたのがスタートでした。

 私は小学校のときからずっと教師になることが夢で、中学校に入学してからは、中学校の英語の教師になることを目標としてきました。「英語を教える=英語を使いこなせる」ですから、とにかく英語に関する知識を蓄えようと、毎日勉強してきました。

 ですから、「英検対策」の勉強というものは、実はほとんどやっていません。そもそも私はこういった資格試験や学校の試験を、資格をとるためにとか成績をとるためにというように考えず、自分の英語力がどれだけついたかを確かめるものだと考えています。従って、「準一級を合格するためにはどうすればよいか」というように聞かれても、上手く答えることはできません。そこで、今まで自分がどういう学習をしてきたかを振り返ってみたいと思います。
 私は、「毎日一分でもいいから英語に触れる」ことを心がけています。何か新しい事を勉強すれば、その前にやったことは必ずといっていいほど忘れてしまいます。でも毎日繰り返せば、自然と定着していきます。この定着を私は大事にしています。

 まず、毎日英語の学習参考書(語彙、文法がひとつになったもの)を一冊、一ヶ月から半月で一回終わるペースでやっています。それと、八十問ある英作文問題を一日十問ずつやっています。もちろんほかにもやることはありますから、あまり自分に負担にならないように、一時間あれば終わる量にしています。高校三年生のときからやり続けていますから、もう三十回近くはやっていると思います。でも、これらのおかげで、熟語や表現にはだいぶ強くなったと思っています。

 ところで、皆さんは電車の中で何をしていますか?初めて乗る沿線なら、車窓から外を眺めたりするでしょうが、毎日同じ電車、同じ風景という通勤通学の場合は、寝てしまうとかボーっとしているとかが多いのではないでしょうか。私は通学途中の電車の中で単語集を利用して、単語や表現を暗記しています。本当は自宅でやればいいのでしょうが、私の場合は何か落ち着かなくてできないのです。それに、一日の大半が学校で、予復習などもほとんど土日に回すぐらい。一時間ぐらい電車の中でやるのが適当だと思っています。また最近では、英字新聞を週に一、二回読むようにしています。日本語ではこういう表現が、英語ではこうなるのかと毎回驚いています。もちろん語彙数が少なかったですし、授業でスラッシュリーディングを勉強したばかりでしたから、最初は1つの記事が比較的短くて、注釈つきで読みやすい、「毎日ウィークリー」から読み始めました。最近ようやく、The Daily Yomiuriが読めるようになりました。

 こうやって英字新聞を読みますし、英米文学科に在籍していますから英語の授業が多いこともあり、辞書は毎日持ち歩いています。英語の授業があるときは中型辞典を、無い時でも小型(いわゆるポケットサイズの)辞典を持ち歩いて、いつでも分からない時に引けるようにしています。

 ただ、せっかくわからない単語や表現を引いて、こういう意味なのかと納得して終わるのはいけません。いくら単語帳の単語や表現を暗記しても、その数は限られていますから、語彙数は増えていきません。そこで、メモ帳を持ち歩いています。英字新聞を読んだり授業中でも、不明な単語があったらとりあえず意味を確認してメモ帳にその単語や表現を書きとめておきます。そして家に帰ったら中型(学習)辞典を引いて、詳しいことを調べるようにしています。そこに単語帳の単語をプラスして、次の日の大学までの電車の中で確認をしています。帰りの電車の中やある程度のところまで単語の数が増えたら、今まで覚えてきた単語を再確認するようにしています。こうやって、自分の頭の中に定着させていっています。そして、使える機会があれば使うように心がけています。これは本当に偶然なのですが、最近自分が書き留めて覚えた単語が、英検の準一級の問題にたくさん出ていました、。これには驚きました。

 また、リスニングの対策として、田邉先生のリスニングの授業で使った教材(テープに録音したもの)を書き取ってみたり、声に出してまねをしてみたりしています。何回も何回も繰り返していると、ある程度は理解できるようになりますが、人間の声や発音は一つではありません。ですから、テープに入っているものをそれぞれ一つずつ何回も根気よくやっています。

 以上のものが、最近の私自身の英語とのふれあいです。でも、これで十分だとは考えていませんし、皆さんが私のやり方を完璧に真似したからといって、英語が上達するとは思っていません。今、本屋さんに行きますと、英検の対策本や英語の勉強の仕方の本がたくさん並べてあります。けれども一番大事なのは、そういったものをいかに自分のやりやすいようにしていくかだと思います。そういった人たちの学習法を参考にしながら、自分にあった学習法を見つけることが大事だと思います。結局最後は自分が、「英語を勉強しよう。」と思うようにならなければ、しかも何のために自分が英語を勉強しているのかがはっきりしていなければ、すぐに挫折してしまうと思います。負担になりすぎず、でも英語の力を着実につけ、教師になるといいう目標に向かって私はがんばりたいと思います。

                       
                                    (Y先生のポートフォリオにあった学習予定表—by UG)