常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

nymphet lover 復習

 今までの裏ゼミでのフレーズをまとめたノートを見返していたところ、日本で多様されている外来語は英語圏の国では全く伝わらないというページを見つけました。その中でお母さんに強い愛着を持つ男性を指す「マザーコンプレックス」は英語圏では “Mama's boy” と呼ぶ箇所がありました。そのときに大人 (主に男性) が若者や子供の異性に対して恋愛感情を抱く「ロリータコンプレックス」をどう英語で表現するのか気になりました。
 「ロリータ」は元々ウラジーミル・ナボコフが著した主人公である中年男性が、14歳の少女に恋をしてしまう物語『ロリータ(Lolita)』に登場するその少女に由来することがわかりました。つまりこの主人公の様な性的主観の人を指す語として「ロリータコンプレックス」と言われるようになったと窺えます。
 しかし、ネイティブな表現としては “nymphet lover” が日本語の「ロリータコンプレックス」として表されることがわかりました。“nymphet” はギリシャ神話に出てくる下級女神、幼女を指す “nymph” /nɪmf/ (ニンフ) からきているそうです。また『ロリータ』の中にも主人公が恋する少女を表す隠語として “nymph” が使われているとわかりました。つまり「幼女が好きな人」という意味を含む “nymph” の形容詞形を用いた “nymphet” lover” という表現から生まれ、それが「ロリータコンプレックス」の意味として使われるようになったといえます。
 したがって「ロリータコンプレックス」は小説「ロリータ」で主人公が少女に恋するという作風から、同様の性的対象とする人を指す表現として使われることが推察できます。(Hapidra)

https://ejje.weblio.jp/content/nymph

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/nymph

https://eow.alc.co.jp/sp/search.html?q=nymph&pg=1
larva - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から