常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

public furor

今回は先生から頂いた東京都知事選挙に関する記事を取り上げます。

Ms. Koike’s immediate predecessor, Yoichi Masuzoe, battled with national Olympic officials over the Tokyo Games’ rapidly escalating budget. He left office after he acknowledged using political funds to pay for personal travel and entertainment, setting off a public furor.
http://www.nytimes.com/2016/08/01/world/asia/tokyo-elects-yuriko-koike-as-its-first-female-governor.html?_r=0

取り上げる表現は,“public furor”です。“public”といえば,形容詞では,「公の」,「公衆の」,「公的な」,「公開の」などといった語義があります(『ジーニアス英和辞典』大修館書店)。

では,“furor”は,どうでしょうか。発音記号は,/fjúərɔːr/で,イギリス英語では,“furore”となることがあります。意味はというと,『ジーニアス英和辞典』(大修館書店)には,「熱狂」や「熱狂的興奮」,「《文》激怒」などといった語義が記載されていました。

さらにEtymology Dictionaryによると,“from Middle French fureur (12c.), from Latin furor”とあいう語源が述べられていました。中期フランス語とラテン語の二つの説があるのでしょうか。また,同上の辞書に“public furor”があり,「一般大衆の怒り」と載っていました。

今回の場合,“setting off a public furor”で,「都民の怒りを爆発させた」となるのではないでしょうか。(Nao)