enshrined in the periodic table
日本の理化学研究所が人工的に作り出した113番目の元素が「国際純正・応用化学連合」によって新たな元素と認定され,命名権が日本に与えられました。命名はこれまで欧米とロシアに限られていましたが,アジアでは初の快挙となりました。
Japanese recognized for discovering element 113
A Japanese team has received official credit for the discovery of element 113, making the group the first in Asia to have its accomplishments enshrined in the periodic table.
http://asia.nikkei.com/Tech-Science/Science/Japanese-recognized-for-discovering-element-113
enshrineを取り上げます。『ウィズダム英和辞典』第2版(三省堂)によると,shrineの第一語義は「⦅かたく⦆〖通例be ~d〗〈考え・権利・習俗などが〉«法律・神話などに»(大切なものとして)述べられている,謳われている」,第二語義は「«心・記憶などに»〈思い出など〉を大切に納める,刻む」」,第三語義は「«神殿などに»〈物〉を安置する」です。
OALD8には“(formal) to make a law, right etc. respected or official, especially by stating it in an important written document”とあります。この場合は,「新しい113番目の人工元素が周期表に載る」という意味です。日本の理化学研究所が新たに命名した元素により,理科に興味を持つ子が増えることを願うばかりです。(Kawada)
PS
語源は『英語語源辞典』(研究社)によると,en-は「…の中に入れる;…を与える,付与する」,shrineは「箱」ということでした。同語源辞典によると,enshrineは1395年から「(聖者の遺骨を)静櫃[聖堂]に納める[祭る]」,1621年には「…を静櫃[聖堂など]のように入れている」の意味で用いられており,シェイクスピアの『ヘンリー六世』第三幕第二場では,「(聖者の遺骨を)静櫃[聖堂]に納める[祭る]」の意味が「大事にする」の意で比喩的に用いられているとあります。
shrineは,古英語の時代以降から1658年まで「箱」という意味で用いられ始め,古英語時代以降から「箱形聖遺物入れ」,ジョン・ミルトンの1629年には「聖堂,霊廟」の意味で用いられたそうです。さらに同語源辞典はシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』第一幕第五場には,「像」の意,『ヴェニスの商人』第二幕第七場,『シンベリン』第五幕第五場,『ルークリース凌辱』第一幕には同じ用例があるとのことです。