常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

twice as cold

映画『The Curious Case of Benjamin Button』(2008)(邦題:ベンジャミン・バトン 数奇な人生)から表現を拾います。
この物語の主人公ベンジャミンは見た目が80歳の状態で生まれ、年を重ねるごとに若返っていくのです。ベンジャミンが50歳くらいの頃、幼なじみのデイジーとロシアについて話している場面からです。
Daisy: I’ve always wanted to go to Russia. Is it as cold as they say?
Benjamin: Twice as cold.

このベンジャミンの返答、”Twice as cold”が気になりました。字幕では「凍るくらい」と訳されていましたがなぜでしょう。
辞書をいくつか見てみましたがこの表現を見つけることができず、ネット検索に懸けることにしました。すると、次のような文がたくさん出てきました。

If it’s zero degrees today and the weather man says it’s going to be twice as cold tomorrow, what will the temperature be?

確かに0度の倍は0度ですが、それほどに寒いことを表す表現だということが分かりました。”Twice as cold”は”Twice as cold as zero degrees”の略のようです。”zero”でも”degrees”と複数になることに注意する必要があります。
せっかくなので寒さを表す語彙を集めてみました。”twice as cold”は”freezing”や”arctic”と同等くらいの寒さでしょうか。(bookmark)

chilly ひんやりする、肌寒い、底冷えのする、凍てつく
wintry 冬のように寒い
icy 〔天候が〕ひどく寒い、凍えるような
nippy とても[ひどく・刺すように]寒い
frosty 霜の降りた、凍るような、凍てつくような
biting 〔寒さなどが〕身を切るような、ヒリヒリする
shiver 〔寒さ・恐怖などで身体が〕震える
freezing ひどく寒い、凍えるほどの
arctic 〈話〉厳寒の