常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

anergy

 本日は” anergy”を取り上げます。アネルギーと呼ぶのですが,管理会計上は前回お話したシナジーの対義語ともいえます。
 “anergy”は部分の合計以下になることを指します。つまり企業全体で事業を行っていることにより個々の価値が毀損することです。シナジーは増加していく方法を考えるのに対してアネルギーはいかに減少させていくかが求められます。
例えば,AAホールディング会社が10の子会社を持っている場合を考えます。子会社はAAというコーポレートブランドをそれぞれの商品に付けて販売をしております。ある日,子会社の1社が大きな不祥事を起こしました。その場合,1社だけの企業価値が下がるだけでなく,企業グループ全体の価値が下がる場合があります。なぜなら同じブランドを商品に付しているからです。
 現代は,TVによる報道や,新聞だけでなく,ツイッターやファイスブックのようなソーシャルネットワークにより一個人の意見を世界中に発信できるようになりました。このため企業が不誠実な対応を行うと,そのような情報が容易に広まる恐れがあるのです。このような現象を意識しながらアネルギーを抑制していく経営が求められます(Ume)。