常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

東京言語心理学13年次大会(TCP 2012)感想

本日,慶應義塾大学三田キャンパスで行われた東京言語心理学13年次大会に参加してきました。いつもは英語教育や学校教育系の学会に参加するのですが,今回は全くの未知の領域を体験してみようと飛び込んでまいりました。

研究発表は以下の通りです。
1.Do you know the All AI? I Know Some. Give Children a Reason to Compute SI
2.Japanese Children’s Interpretation of a Disjunction in Comparative Sentences and
Negative Sentences
3.Japanese-Speaking Children’s Interpretation of Measure Phrase Comparatives
4.Non-Individuation and Free Choice Items in Japanese
5.Wh-Movement and Inversion in Spanish: A Visual Analogue Scale Analysis
6.-To in Japanese as an NPI Scalar Focus Particle
7.Asymmetries in Movement and a Theory of Merger

正直なところ,内容はほとんどと言ってよいほどわかりませんでした。やはり門外漢には少し厳しすぎたのかもしれません。しかし,ただ異世界を感じただけでなく,刺激もしっかり受けてきました。それはすべての学会運営がすべて英語で行われていたことです。

今回の学会は言語心理に焦点を当てているので,なにも英語を題材にしなくてもいいわけなのですが(すべて英語を題材にした発表でしたが・・・),プログラムから,発表,質疑応答まですべて日本語を使っていないのです。数は少ないですが,私が経験した学会の中でもここまで英語で通したものは10もいかないのではないかと思います。確かに文法や発音を間違えたり,言い淀んだりする場面はありますが,英語で何かを伝えよう,意見を戦わそうという姿勢がヒシヒシと伝わってきました。

学術的なことは私の勉強不足により得るものは少なかったですが,「話す姿勢」の大切さを再確認した言語心理学学会でした。(Sugiuchi)