常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問 giant collective hangover 回答 (Lbow-Shoulder)

ご指名質問にお答えします。今回の記事はニュージーランドで行われたラグビーのワールドカップに関するものでした。ホスト国であるニュージーランドは,2月22日に発生した大地震の影響もあってか,優勝したいという気持ちがより一層強かったことでしょう。それでは,指定箇所の解説をさせていただきます。

http://d.hatena.ne.jp/A30/20111026/1319585078

Despite being the No.1 ranked international team for most of the intervening years, success on the ultimate stage eluded successive All Blacks teams.

The nadir perhaps was the failure of the 2007 team, who fell victim to an inspired French team in Cardiff in the quarterfinals.

1つ目はthe intervening yearsです。interveningは「間の[に起こる]」という意味で,例としてin the intervening yearsで「その数年間で」と辞書に挙げられていました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。またinterveneを分解してみると,inter-「間に」,ven「来る,達する」となります。そのため,ずっと1位であるわけではないことがわかります。実際ニュージーランドは4年に1度の王座から陥落しており,今年はその4年目でした。見事にジンクスを破ってくれました。以上のことを踏まえて赤字箇所を含む節を訳すと,「(ニュージーランドは)世界ランク1位の座に数年間君臨しているにもかかわらず」となります。

2つ目はsuccess on the ultimate stage eluded successive All Blacks teamsです。文脈からultimate stageはワールドカップのことを指していることがわかります。またsuccessiveは「連続する」という意味から転じて,「相続[継承]の」とありました(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。ここでは「歴代のチーム」や「代々のチーム」と訳すと据わりがよくなります。過去のワールドカップの結果を見てみると,ニュージーランドは第1回大会(1987年開催)以来,優勝から遠ざかっていました。以上のことから,「ワールドカップという大舞台での優勝に歴代のオールブラックスは見放された」と訳せます。

3つ目はthe nadirです。辞書によると,「天底;どん底」とありました。天底とは「観測地点における鉛直線が下方で天球と交わる点」とのことです(『大辞泉』増補・新装版,小学館)。簡単に言うと「足元の点」のことであるとこから,「どん底」という意味になりました。フランスで行われたワールドカップ(2007年開催)では準々決勝のフランス戦で敗退となりました。これがオールブラックスにとって過去最悪の成績です。今回は因縁のあるフランスを決勝で下し,優勝できたため,その喜びは計り知れないことでしょう。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)