常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

here comes the sun

今日付け(Friday, June 10, 2011)のThe Japan Timesを読んでいたら,深刻な事件にもかかわらず笑ってしまった記事がありましたので,ご紹介したいと思います。一面からSolar flare creates dazzling imagesという記事です。これは,NASAにより太陽のほぼ半分を覆うフレアが観測され,地球の磁気にも影響を与えるかもしれないことを示唆しています。
Here comes the sun: A coronal mass ejection is shown Tuesday by NASA’s Solar Dynamic Observatory.
今回注目したいのは,here comes the sunというフレーズによる印象のギャップです。これは,The Beatlesジョージ・ハリスンのペンによる “Here Comes The Sun”と同じフレーズです。おそらくそのまま引用したのだと思われます。記事のhere comes sunというフレーズを読んでいたら,自然と頭の中に楽曲 “Here Comes The Sun”が流れてきて,ふたつのイメージの違いに思わず笑みがこぼれてしまいました。それでは,楽曲にはどのようなイメージがあるかみてみましょう。
この “Here Comes The Sun”はかわいい曲調とポジティヴな歌詞が特徴で,次のような歌詞で曲が始まります。

このように今回の記事の太陽フレアは,楽曲のような気楽で春の到来を賛美するような内容ではないですし,記事の内容と曲調があまりにも離れていていることがわかりますね。この記事で記者が,ジョージの曲を意識したかはわかりませんが,両者のイメージのギャップにクスッと笑ってしまいました。
また,このhere comes ~というフレーズはよく使われるフレーズです。
Here comes our train.(ほら,わたしたちの乗る電車が来たよ)(綿貫陽,マーク・ピーターセン.(2006)『表現のための実践ロイヤル英文法』旺文社)
Here comes Peter. (ほら,ピーターが来たよ)(『ウィズダム英和辞典』初版,三省堂
覚えていて損のないフレーズでしょう。(Othello
http://www.youtube.com/watch?v=h2E4ADFGbnA