常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

atmosphere

東日本を襲った大地震から今日で10日が経ちました。現在、少しずつテレビ番組は通常の番組へと戻りつつありますが,福島原発の状況は依然として予断を許さない状況です。本日(03/21/11)付けのDYには,福島原発の2号機へ電力が供給できる手前の段階まで作業が進んでいるとあります。一方,3号機は原子炉容器内の気圧が上昇しているようです。
Pressure of the containment vessel went up from about 2.8 atmospheres at 1:10 a.m. to 3.4 atmospheres at 4:30 a.m.
ここで注目したいのがatmosphereです。よく「雰囲気」という意味でみなさんは認識していると思われるこのatmosphereですが,実は色々な意味があるのです。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,「気圧」という意味があるのです。これは大気圧の単位で,よく略式でatm(アトム)と呼ばれます。
さて,気圧と言われると中高の理科の時間を思い出しますよね。ではここで,簡単に気圧について説明します(以下は『スーパー大辞林』から)。気圧というのは,気体の圧力の事です。これは大気の圧力とも言え,1平方センチメートルあたりに1キログラムの力がかかる強さの事です。ここでの単位はヘクトパスカル(hPa)が使われます(昔はミリバールと呼ばれていました)。この単位には,みなさん聞き覚えがあるのではないでしょうか。よく天気予報に出てきます。
しかし,上に書いたatmも大気圧の単位とあります。hPaとatmの違いは一体何なのでしょうか。実は標準気圧と呼ばれる1013.25hPaが1気圧と呼ばれ,これが1atmなのです。
よって,このような式が成り立ちます。
               1気圧=1013.25hPa=1atm
今回の震災によって,私たちには聞き慣れない科学用語が新聞を飛び交うようになりました。これを機に,英語という窓口から科学を覗いて見るのも悪くはありませんね。(ゼミ生 persimmon柿生)