常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

exchange

つい先日サッカークラブアジアナンバーワンを決めるACLが始まりました。日本のリーグからは名古屋グランパス鹿島アントラーズガンバ大阪セレッソ大阪の4チームが参加しています。本日(03/04/11)のDYでは,セレッソ大阪対アレマ・インドネシアの試合について報道しています。
Cerezo dominated the early exchanges and opened the scoring when Rodrigo Pimpat met Takashi Inui’s left-wing cross to steer a downward header past Arema keeper Achmad Kurniawan.
ここで注目するのが,exchangeの使われ方と,太文字箇所の訳です。まずexchangesを見てみましょう。この単語はよく「交換」という名詞,または「交換する」という動詞で良く知られています。しかし,上記の英文では名詞で使われており,「交換」という訳語は適さないようです。『オーレックス英和辞典』(旺文社)を引いてみると,exchangeには「交戦,戦火」という意味がありました。実はexchangeの中心義「交換すること」なのですが,交換するものは具体的な「物」や「人」に限らず,「情報」や「意見」など抽象的なものを含むのです(同上)。ここでは,両チームの力を交換し,火花を散らしていると考えられます。
以上のことを踏まえると,太文字箇所は「セレッソは試合序盤を制し」,または「セレッソは序盤の支配権をにぎり」,「セレッソは序盤を有利に進め」などの訳が考えられます。
セレッソ大阪はこれが初の国外戦でした。今後の活躍に期待ですね。(ゼミ生 persimmon柿生)