常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

monkey around

 The Japan Times(2010/10/10付け)がチンパンジー研究者であるジェーン・グドール(Jane Goodall)博士について採り上げています。博士は1934年にイギリスで生まれ,小さいころから動物に囲まれて暮らすのが夢であるくらい動物好きでした。そんな夢を大人になっても持ち続けていた博士は人類学者であるルイス・リーキー博士と出会い,資金を集め,野生チンパンジーの生息地であるアフリカへと渡ったのです。今回は,そんなグドール博士についての記事の見出しを取り上げます。
 Goodall doesn’t monkey around
 注目する表現はmonkey around。monkeyと聞くと名詞用法を思い浮かべますが,ここでは動詞として使われています。そこで『オーレックス英和辞典』(旺文社)を引いてみると,「いたずらをする,ふざける,ぶらぶらする《around, about》」「〈…を〉いじくる」とあり,『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)には「遊びまわる,ふざける」とありました。他の表現としてplayやhang outを思い浮かべますが,monkeyはto behave in a stupid or careless wayと定義されていることから(LDOCE),馬鹿にしたニュアンスがあることがわかります。
 グドール博士は若い女性でありながらアフリカへ母親と二人きりで渡り,驚異的な発見を数多くしてきました。また,今でも年間200日は世界中を飛び回り,公演をしているとのことです。このことから見出しの意味が推測できるのではないでしょうか。次はLbow君お願いします。(ゼミ生yori-money)