常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

sleight of hand

今日のDY(09/18/10付け)のスポーツ欄に面白い見出しがありました。
Sleight of hand: Jeter admits duping ump to get on base
今回取り上げる表現は“sleight of hand”です。sleightを辞書で調べると「1 手練;器用さ. 2 策略, 術策;悪知恵.」と載っていました(『プログレッシブ英和辞典』小学館)。そしてof handが付くと「1 手品,奇術;ごまかし 2 手先の早わざ」という意味にあります(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。
ニューヨークヤンキースのキャプテンであるジーターはレイズとの試合でデッドボールを受けました。ジーターはトレーナーに当たった箇所をみてもらった後,歯を食いしばりながら一塁に向かったのですが,スローVTRで確認してみるとボールはジーターの手ではなくバットの柄に当たっていることがわかりました。相手チームのファンからは“Jeter cheater!”という叫び声と共にブーイングが起きたようです。
以上のことから,見出しの“sleight of hand”はこの見事なジーターの演技を指している事がわかります(残念ながら観客に見破られてしまいましたが)。また,ジーターはボールが手(hand)に当たったふりしたのもこのsleight of handがここで使われている要因となっています。(ゼミ生 camel)