常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

collision course

The Japan Times ONLINE(2010年9月11日付)のテニス全米オープンに関する記事から表現を紹介します。
Nadal stays on collision course for final against Federer
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/st20100911a1.html
この記事ではラファエル・ナダル選手の準決勝進出が伝えられています。今回は上記の見出しのcollision courseに注目します。私はまずcollision courseを「衝突コース」と直訳して,衝突という語から「ナダルは決勝でフェデラーと対決か」と解釈をしてみました。確認のため辞書で調べると,collision courseは「(針路の変更がなければ衝突が避けられない)衝突針路:例 His policy is on a collision course with the public interests.(彼の政策は公共利害と必ずぶつかる。)」だということがわかりました(『新英和中辞典』第5版,研究社)。なるほど,今大会でナダルは第1シードとされていて順当にいけば決勝でフェデラーと頂上決戦が期待されますね。このcollision courseという語にスポーツでいうところの「順当に勝ち進めば○○と○○が対決か」といった周囲の期待や予想がうかがえます。ちなみにLDOCEには,to be likely have serious problem because your aims are very different from someone’s else.とありました。
ただ,ナダル選手は今回で3年連続の準決勝進出ですが2008年,2009年と準決勝で敗退していることもあってもしかしたら番狂わせが起きるかもしれません。実際にナダル選手の準決勝対戦相手である第12シードのヨージニ選手は番狂わせを起こそうと意気込んでいます。ナダル選手がcollision courseからはずれること(stray from its right course)がないといいですね(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。
次回はカメ女さんです。 (ゼミ生 pear