常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

shirk

今回は以前田邉先生がブログでご紹介していらっしゃったカナダの全国紙Globe and Mailから英語表現を拾っていきます。

2008年British ColombiaのLangleyのあるマッシュルーム工場で3人の作業員がなくなった事故がありました。調べた結果,その工場は29もの項目が州のworkplace safety lawsに違反をしていたようです。以下は記事からの引用です。

“But the whole system is set up to shirk responsibility,” he said. “We need tough, tough enforcement if we are going to clean up these industries.”
http://www.theglobeandmail.com/news/national/british-columbia/charges-laid-in-bc-mushroom-farm-deaths/article1690523/

ここで採り上げるのはshirkという単語です。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,「[仕事・責任など]を回避する,ずるける」とありました。「回避する」でしたらavoidでもよさそうですが,ここではなぜshirkが使われているのでしょうか。

そこでLDOCEに目をやると,shirkでto deliberately avoid doing something you should do, because you are lazyとあり,一方avoidはto find a way of not doing something that you should doと定義付けられていました。両者を見比べると,shirkには,lazyというニュアンスが込められていることが分かります。

州側は,このような事態が起こらないようにシステムを一新しました。しかし,労働状況を改善するには十分ではなかったようです。上記のshirkには,そのような不十分なシステムを制定した州側の怠けた態度へのいら立ちが表れています。(ゼミ生persimmon柿生)