常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pip

BBC. News(2010年8月7日付け)には,先日採り上げた“陸上ダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会男子100M”の結果が掲載されています。決勝ではタイソン・ゲイ選手(U.S.A)がJamaicaウサイン・ボルト選手(現世界記録保持者)を破り,表彰台の真ん中(center stage)をもぎ取りました。以下がその見出し:

Gay pips Bolt in Stockholm thriller
http://news.bbc.co.uk/today/hi/today/newsid_8894000/8894492.stm

今回の表現はpipです。辞書で意味を調べてみると,「(競争などでかろうじて)〈人〉を負かす;〈試験〉に落ちる,〈人〉を(試験で)落とす」とありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。
優勝したタイソン・ゲイ選手のタイムは9’84,2位のボルト選手は9’97と100M走らしいタッチの差での決着となりました。ご存知の通り100M走はコンマ0.何秒の争う競技です。今回の表現pipはその決着の瞬間を表現するのにピッタリな1語だったように思います。

また,文末のthrillerもハラハラ・ドキドキ感を読者に与え,pipと合わせて,場面を想像しやすくしているなと思いました。(ゼミ生 gacha)