常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

moot

今回はDY(7/27/10付け)の一面から英語の落ち穂拾いをしていきます。
昨日(07/26/10),政府諮問機関が機動的で実効性のある防衛力整備を目指すことを打ち出し,国防の基本方針だった「基盤的防衛力構想」の見直しを提言しました。この話題について,DYでも取り上げています。以下がその記事の見出しです。
Panel moots major defense policy shift
ここで注目するのが,mootという単語です。辞書を引いてみると「(問題が)議題にのる;討論される」とありました『オーレックス英和辞典』(旺文社)。さらに,mootには名詞で「(アングロ・サクソン時代の)会合,集会」という意味があります(『オーレックス英和辞典』同上)。さらに「(法学院の学生などの)討論会」という語義も押さえておきたいところです。
英英辞典ではmootについて以下のように説明しています。
1154, from O.E. gemot "meeting" (especially of freemen, to discuss community affairs or mete justice), from P.Gmc. *ga-motan (cf. Old Low Frankish muot "encounter," M.Du. moet, M.H.G. muoz ), from collective prefix *ga- + *motan (see meet (v.)). The adj. senses of "debatable" and "not worth considering" arose from moot case, earlier simply moot (n.) "discussion of a hypothetical law case" (1531), in law student jargon, in ref. to students gathering to test their skills in mock cases.(Word Origin & History
http://dictionary.reference.com/browse/moot
以上からmootの動詞形は「会合,集会」という意味から派生したと考えられます。(ゼミ生persimmon柿生)