常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Persimmon柿生講座#1「out-of-favor」

昨日から準々決勝が始まったW杯。強豪同士がベスト4の椅子をかけ死闘を繰り広げています。しかし一方で,「勝てば官軍」ではないですが,その場に立てなかったために時刻で矢面に立たされている代表選手もいます。イングランド代表のルーニー選手は,帰国した後もバッシングの嵐にさらされています。そんな彼に救いの手を差し伸べたのが元イングランド代表FWオーウェンでした。彼のコメントがTHE DAILY YOMIURI(7/3/10付け)にありました。

“People talk about Wayne after the World Cup because he is Wayne, there were other players who didn’t perform at the World Cup, too”…. Out-of-favor England striker Owen insisted he was still available to answer…

今回はout-of-favorを採り上げます。早速『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)を引いてみると,out of favorで「嫌われて,人気のない,流行しない」とありました。今回はさらに一歩踏み込んでいきます。ここでのfavorはどのような意味を持つのでしょうか。

ジーニアス英和辞典』(同上)では,favorの意味として「1.(自発的で特別の)親切な行為;忠勤,尽力2. (集団または目上の人の示す)好意,親切心3. 偏愛,えこひいき」などがありました。ちなみに1.の意味でreturn the favor「恩返しをする」という例文が載っていました。今回のfavorは「忠勤」という意味が適切なのではないかと推測できます。

イングランドサポーターは,ルーニー勝利の女神(男ですが…)のように崇めていた分,その落胆ぶりは大きいようです。しかし,何よりもまず結果,それがサッカーの世界です。(ゼミ生persimmon柿生)