常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

trench coat

こんにちは。temple gateです。
まず,少し季節違いではありますが「コート」といったら,みなさんはどんなコートを思い浮かべるでしょうか。様々な種類のものがあると思いますが,私は春コート(spring coat or topcoat)とダッフルコート(duffle [duffel] coat)とトレンチコート(trench coat)が思い浮かびます。
何故いきなりコートを話題にしたのかというと,『地球の歩き方 A03 ロンドン』(ダイヤモンド社)にtrench coatに関する興味深い記事が掲載されていたからです。
みなさんはtrench coatがもともと軍服だったことをご存知でしょうか。
地球の歩き方に以下のことが掲載されていました。「トレンチとは,戦場に掘る塹壕のこと。塹壕の中で着るからトレンチコートなのだ。ダブルの前合わせと袖口のベルトはともに防水性を高めるため。腰のベルトについている金具は,手榴弾をぶらさげるためのもの,肩章は帽子や手袋を挟んでおくためで,大きな襟を立てておくと,砲撃などの騒音のなかでも命令がよく聞こえる。と,これだけ揃えばいうことなし。」(『地球の歩き方 A03 ロンドン版』ダイヤモンド社
また,trenchを辞書で引いてみると,「(深く)切る,えぐる」が原義で,「塹壕,溝,…に溝を掘る,…を塹壕で守る」(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)とありました。さらに辞書を読んでいると,trencherという単語を発見。これには「食卓で肉を切り分ける人,塹壕を掘る人」(『ジーニアス英和辞典』同上)という意味があります。他にはin the trenchesで「(競争・対立の伴う)現場で」(『ジーニアス英和辞典』同上)という意味があったり,trench mouthには口内炎という意味がありました。
普段からよくみるtrench coatの語源やtrenchにまつわる表現などは私にとって意外なものでしたが,半年後にtrench coatを見るときには,この記事で書いたことを思い浮かべてみようと思います。
明日はL-bow shoulderくんです。よろしくお願いします。(ゼミ生 temple)