常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

“やり手”は英語で?

今日は,カルガリー大学から来た留学生と話していたときに学んだ英語表現をみなさんに紹介します。
みなさん,留学生と打ち解けるためにどんな話題を持ち出しますか?色々考えはあると思いますが,やはり恋愛系が一番いいのではないでしょうか(笑)。この話題はuniversalなのでしょう,大体の留学生は乗ってきてくれます。今回もその例外ではありません。留学生は自分の恋愛の「武勇伝」を快く話してくれました。
その武勇伝の終わりに,彼が昔の自分のことを「smooth operator」と言いました。はて,「滑らかな技術者」とは一体どういう意味でしょうか?いつもはすぐに辞書を引いてしまいますが,今回は文脈から予想してみましょう。
彼は高校の時に,何人もの女の子を巧みな話術とルックスで落としてきました。しかし,その過去の過ちを後悔し,今は「運命の人」に出会えることを信じて待っているのだそうです。回想の最後にwrap upするように言った言葉が,「I used to be a smooth operator.」でした。察しはつきましたか?
さて,種明かし。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,「やり手,策士」とありました。そして,この表現はしばしばnegativeな意味で使われるようです。LDOCEにsmoothの定義として"someone who is smooth is polite, confident, and relaxed, but is often not sincere."とありました。Smoothにこのようなニュアンスがあるなんて意外ですね。
このように何気ない会話からでもいろいろと勉強になります。勉強になるだけでなく,留学生の彼の「昔はあんなだったけど,今は違うぞ。」というようなメッセージが感じ取れるようになる。このようにいつもより少し深く相手を理解できるようになることってすごく嬉しいことだと思いませんか?まさに言語学習の醍醐味を垣間見たひと時でした。
(ゼミ生persimmon柿生)