常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

take lumps

THE DAILY YOMIURI(2010年5月8日付)のスポーツ欄(20面)の見出しから。米プロバスケットボールリーグNBAのプレイオフ準決勝,マジック対ホークスの試合はマジックが112-98でホークを降し,対戦成績を2勝0敗としました。

Howard, Magic take lumps, 2-0 lead

まず,気になるのがlumpsです。lumpといえば,sugarやclayなどの不可算名詞(uncountable noun)を数える際の数詞として文法書によく採り上げられます。しかし,その他に,lumpには「こぶ, はれもの, しこり」(ちなみにラクダのこぶはhump)や「(罰として)続けざまになぐること;(当然の)報い」という意味があります(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。またtake (one’s) lumpsで「罰を受け入れる」という意味もあります(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。
実はこの試合,slow starterのマジックは序盤に苦戦を強いられます。そんなおり,エースのセンターHowardが相手選手の肘を顔面に受け,流血。ベンチに下がります。しかし,彼は2分後にはコートに戻り大活躍,チームを逆転勝利に導きます。このtake lumpsはエースの目を覚ます肘鉄のことだったのです。記事の出だしにもMaybe all the Orlando Magic needed after a slow start was a slap in the face.のように書かれています。
今回は少し文脈も必要でしたが,数詞以外のlumpも押さえておきましょう(ちなみにmagicとの関係で,綴りの似ているlampを想起させるのは考えすぎでしょうか)。(院生 小山本)